2011年3月26日土曜日

[国際協力] 【共有】湯浅・ボランティア連携室長のメッセージ

国際協力系団体学生MLのみなさま

こんにちは。
鈴木[プライベートメール](@bellshift)です。
仕事でもたまにご一緒する反貧困ネット、そして、現在は震災ボランティア連携室長を務める湯浅誠さんからメッセージをいただいたので共有します。
*転送可能とのことです。

(ここから)
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このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された方々に、深くお見舞い申しあげます。
そして今、被災された方を支援するために活動を展開している、またその準備を進
めているあらゆる方々に、こころから敬意を表します。

今回の大震災は、戦後最大の災害となってしまいました。東日本全域に及ぶ広域性、
地震・津波・原子力発電所の複合災害、亡くなられた方、依然として行方不明の方た
ちの数、被災された方たちの数、いずれをとっても過去に例のないものです。

そして、「数」にまとめられない一人ひとりの困難の独自性と多様性を思うと、私た
ちはその無限の広がりに圧倒されます。

そんな中でも、被災者の方たち自身を始めとしたさまざまな人たちが、「これ以上の
死者を出さない」「打ち捨てられた気持ちにさせない」という思いを形にし始めてお
り、そこに私たちは人間の底力の強さを垣間見て、励まされています。

内閣官房震災ボランティア連携室は、被災者の方たちを始めとする、そんな方の力強
さ、一人ひとりに寄り添う気持ちとともにありたいという思いから発足しました。


今回の大震災では、津波災害の甚大さから安否確認が難航し、物資やガソリンの不足
が解消されないという初期の危機的状態が続いています。他方で避難所生活が10日を
経過し、被災者の方たちの心身の疲労に対するケアが必要になっています。また被災
地以外へ避難される方も増えている一方で、被災地における仮設住宅の建設も始まっ
ています。これまでの災害では段階的に進行していた事項が、今回は重複して進行し
ています。

また、災害時に被害実態を把握し、復興に向けた第一歩を主導すべき市町村自治体や
、ボランティアの登録やマッチングを行う自治体ごとの社会福祉協議会も、甚大な津
波被害を受けてその機能を失ってしまったところもあります。そのため、安否確認が
できない被災者の辛さ、モノ不足・ガソリン不足による不自由さ、避難所生活の辛さ
等々の各種報道に接しながら、他方で被災地の受入態勢が整わず、多くの方たちが「
いま自分に何ができるのか」というもどかしさを感じていることと思います。

こうした困難を極める状況の中にあっても、高い専門性を持つボランティア団体が災
害後すぐに現地に駆けつけ、安否の確認や被災者のケアに努めています。また、社会
福祉協議会が設置する「災害ボランティアセンター」やNPOが地元の団体と連携して
ボランティア活動の拠点を立ち上げ、少しずつですが、ボランティアの受け入れ体制
が整いつつあります。

しかし、個人のボランティアが現地で活動するにはまだ十分な受け入れ体制が整って
いるわけではありません。災害ボランティアセンターの情報を取りまとめている全国
社会福祉協議会からも、「まだ一般ボランティアの受入は困難」との発信がなされて
います。現在、被災各地に活動を開始しているNGO・NPO等々のボランティア団体は、
食料・宿泊場所等を自前で用意して被災地に負担をかけず、かつ被災現地に受入のパ
ートナーを持ち、災害ボランティアセンターのコーディネートがなくても支援活動を
展開できる、「自己完結型」のいわば「災害時支援のプロ」、または被災地市内・県
内在住の方に限られています(http://blog.goo.ne.jp/vc00000/)。

しかしそれは、「個人では何もできない」ことを意味するわけではありません。?義
援金は言うまでもなく、?お住まいの各都道府県で支援物資の受付を行っています(
http://www.shakyo.or.jp/saigai/pdf/20110318_02.pdf)。また、?被災地以外の地
域でも、被災者の一時避難所が開設され、受入れが始まっていますので、今後は各地
の公営住宅等へ入居される方たちも出てくるでしょう。さらに、?すでに多くの指摘
があるように、今回の大震災の復興過程は長期にわたる可能性があります。基本的イ
ンフラが回復した後も、一人ひとりのニーズに寄添った息の長い支援は必要です。

この災害から日本が立ち直るためには、みなさまの力が不可欠です。


もちろん、ボランティアは個人の自発性と主体的意思によって行われるものであり、
誰かに指示されて行うものではありません。私たち震災ボランティア連携室にも、ボ
ランティアをコントロールする意図はありません。現場は時々刻々変化する生き物で
あり、統制や一元化を試みれば、それをしているうちに現場の最重要課題は別のこと
に移ってしまっている。私たちはそのことを認識しています。

他方で、ボランティアの存在によって、行政の公的責任が減免されるものでないこと
も、言うまでもありません。行政は行政の果たすべき責任を最大限追求すべきである
こと、それはボランティアが存在しようがしまいが、変わりません。

したがって、震災ボランティア連携室の役割は、政府・自治体の行政責任が最大限果
たされることを前提に、戦後最大の大災害の中、それでも手の届かない部分が出るこ
とを想定し、そこで活躍してくれるボランティアの方たちが力を発揮しやすいように
、情報提供や連絡調整などの点において、ボランティアのみなさんをサポートさせて
もらう点にあります。

16日の発足以来、企業に限られていた緊急通行車両標章の発行について、現地へ物資
を運んだりボランティア活動を展開する非営利団体への適用拡大について政府内の調
整を進めるとともに、防災ボランティア団体の方たちとの現地での現状把握を行って
きました。また、現地で必要とされているニーズを的確に伝え、ボランティア活動が
より円滑になることで被災者の生活再建に役立てることを目的に、本ウェブサイト等
への情報提供を行っています。


最後に。「ボランティア」と一口に言っても、専門性や集団性において多様な形態・
担い手がありますが、第一のボランティアは、すでに被災地で被災された方々自身に
よって担われています。避難所の運営や炊き出し、子どもやお年寄りのケアなど、地
域のコミュニティ力がそうした形で発揮されていることを、私たちはすでに各種報道
等を通じて見聞きしています。また第二のボランティアも、すでに各市町村の災害ボ
ランティアセンターで市内在住者や周辺地域の人々の手によって担われ始めています。

私たちは、ともすると、災害で無力になった被災者とそれを助ける外部のボランティ
アという図式に陥りがちですが、復興過程全体を通じた目的が、被災者一人ひとりの
生活改善と、それを取り巻く地域のコミュニティ力の以前にも増した強化であること
は、どなたも異論のないところだと思います。

この大災害においても、地域の課題を地域の力で解決していこうと奮闘している被災
地の方たちの思いに深甚な敬意を抱きつつ、それを差し出がましくない形でバックア
ップし、手の届かないところを補っていこうとする真摯なボランティアの方たちを、
私たち震災ボランティア連携室がさらにバックアップさせていただきたいと考えてい
ます。

この復興過程を通じて、「そういえば無縁社会などと言われたこともあったね」と日
本全体で振り返られるような社会にしていくため、みなさんと力を合わせていきたい。

今後とも、どうぞよろしくお願いします。


内閣官房震災ボランティア連携室
室長 湯浅誠

(ここまで)

鈴木
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