2011年6月26日日曜日

改正NPO法を考えるときに大切な3つのポイント

僕自身、NPO法人を立ち上げたし、中間支援NPOというところで1年間ほどインターンをした。
NPO・NGOの現状は浅はかでありつつも知っているつもりだ。ちょっとはね(笑)その上で、「改正NPO法」がどんな効果をもたらすのか、学生の薄識ながら検討したい。



まず、「改正NPO法」とは?

→改正NPO法は、認定権限を国税庁から都道府県と政令市に移し、手続きの迅速化を図る。また、「事業収入のうち、寄付が5分の1以上」という現行の基準に「3000円以上の寄付者が100人以上」「条例による指定」を加えて、選択を可能にしたものである。



<改正NPO法を考えるときに大切な3つのポイント>

1.「寄付市場」の本質を考える
2.「理解活動不足」に対して
3.コミュニケーションを促進しよう!



結論的に、「本質は、今回の改善にはあらず」ということだ。市民とNPO・NGOのコミュニケーションを強化していかないといけないと思う。市民のニーズを理解し、NPOの活動を理解することで、今回の施策の効果は顕在化し、NPO・NGOやソーシャルビジネスが生活に根ざすものになるだろう。その結果、寄付市場は圧倒的な成長を遂げるのである。


改正NPO法が、本当に社会問題解決の促進に至るための、ポイントは順を追って3つあると思う。


1つは、「寄付市場」の本質を考える

寄付市場ってなんだろう。
僕が考える寄付市場とは、社会問題解決を掲げる団体への理解・支援を数値化したものだと考えている。

日本の個人による寄付額は約5500億円。(「寄付白書」)で、NPOの数は約4万。(認定NPOは200)つまり、1団体あたり1375万円はあるのだ。これは、単純に割った数字だし、寄付の中でNPO以外に寄付される正確な数字ではない。その他にも国や地方公共団体からの助成金もある。少なくとも、「寄付がない」わけじゃない。

特に近年では、企業との共同も増えてきている。マーケティングや広報、CSRの一環として企業がNPO・NGOとの取り組みにお金を投じているのだ。「寄付がない」から、「NPO・NGOが活性化しない」、結果「社会問題が解決されない」というのは少々飛躍した論理に感じる。ここで言えることは、寄付市場の活性化とは、本質的に「お金」に着目したものではないのだ。

今回の施策での本当の狙いは、NPO・NGOの取り組みへの「関心」のハードルを下げることだ。

「寄付がない」ことを米国は約2500億ドルもある!から、日本も伸びるだろう、という指摘をする人がいる。日本がアメリカになればそうなるだろうけども...。それは単なる数字の比較で、要素を比較していない。アメリカには、税金の使い道は自分たちで決めるような強い意志がある。それを決定づける、NPOと関わる機会が幼少の頃、もしくは両親からの影響がある。今回の税制控除で、アメリカのように各々の意思決定に基づき、払うべき税金の使い道を決めるようになれば良い。財務省はじめ、政府はどこに使っているのかわからないからね(笑)

そうなるには、NPOが、「なぜその活動をするのか。社会はどんな変化をもたらすだろうか。どんな人には共感して貰えるだろうか。それはなぜだろう。どうやったら伝えられるだろう。どこにいるだろう。」などの仮説検証をしっかりする必要がある。


つまり、寄付市場は社会問題を解決するために、市民が提示する予算と言えよう。社会問題の定義は比較的広く、例えば子どもたちへのスポーツ教育や世代間の交流なども含まれる。公共性を活動の軸に据えている団体や組織を、国民がその価値を金額として表したものなのだ。(プラスで、各々の事業収入も含まれる。)

そして、それには市民の理解が不可欠といえる。それが足りていないから、寄付市場が伸びていないと考える方がポジティブだと思う。今回は、「理解」の前提となる、「関心」を税金控除を用いて高くしたのである。



2つは、「理解不足」という現状

そもそもなぜ、寄付市場が活性化しないのか。
前述したように、「市民の理解不足」が一つの大きな要因にあると思う。その原因は、NPOのコミュニケーション能力不足にあるのではないかと考える。

僕の考えるNPO・NGOの問題は、「理解活動」不足だ。企業でいえば、カスタマーセンターがないに等しい。「ない」とは言い切れないまでも、ブログやtwitterやfacebookや他のwebツールを使って、理解に励もうとする団体は少ない。それは、予算不足からの人手不足ということもあることもあるが、必要性を不認識していないことが、大きな要因だと考えている。

インターナショナルなNGOであるoxfamのtwitterのフォロワーは15万人にいる。(oxfam japanは、2,700人)TFAは35,000人。room to readは53万人(room to read japanは27,000人。)

ここからは日本のNPO関連の団体・個人に限ってみても、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン4,000人。SVPは1,800人。マザーハウス3,200人。かものはしプロジェクト4,400人。フローレンスの駒崎さん個人アカウントで15,000人。ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井さん14,000人。語学の幅の違いはあるが、日本のtwitterユーザーは1600万人/2億1000万人である。アクセスやtweetの割合からみて、インターナショナルなユーザーの10%はいてもいいと言える。

※ちなみに、僕でさえも3,400人はいる。

これを見ても、海外と比較して、コミュニケーションや理解活動促進が少ないのではないかと予測出来る。



3つは、コミュニケーションを促進しよう!

ここまで、読んでくださる方は、恐らくNPOに興味がある方だろう。

NPOの名前を5つ挙げてください!と言われて、5つすぐに挙がるだろうか?さらに言えば、その問題意識が教育だったとして、教育系のNPOを最低3つはすぐに答えられないと意味が無いのではだろうか。寄付とは理解の権化であると考えれば、この問いは的を得ていると思う。

つまり、予算が充足されたからといって、「理解不足」という現状の問題を無視してはいけない。これを機に、理解活動にも精を出して、「活動を理解して、共感するから応援したい」というポジティブな流れを生み出していくことが何よりも重要だ。「税金が浮きますよ!だから、寄付してください」という金銭目的の寄付は、NPO・NGOの活動の質を担保しないために持続性はないだろう。

NPOのコミュニケーション促進を図るためにはどうすればいいのだろうか。

1.良い活動をする
2.発信媒体をもつ
3.体験の場を積極的に創る(=ファンをつくる)
4.ファン(=クチコミ)を収束させる
5.コミュニケーションを取る

デジタルに寄っているのは僕の悪い癖だが、上記5点が大切だと思う。

1は、当たり前のことだ。何の問題を解決するのか。そこにいるのは誰で、どんな人なのか。どうして、どうやって解決するのか。などなど。
2は、1を表現する媒体を持つことだ。今ならHPでも良いし、facebookページでもtwitter、ブログでもイイ。とにかく、市民との間を取り持ってくれる媒体を用意する。
3は、最初は数人でもイイから、活動を体験してもらうこと。1をきっちり行っていて、2で少人数でも届いていれば、理解者は生まれる。ファンを大切にする。
4は、ファンが集まる場所を創る。ファンが若いなら、facebookでもいいかもしれない。ご高齢なら、実際に集まる場を提供すればいい。
5は、常にファンとのコミュニケーションを絶やさないようにする。ファンがファンである限り、ファンの周りに活動を代弁(=クチコミ)してくれる。

他にも、時にはファンに、ワオ!を用意するなどの仕掛けもあるだろう。基本は、とにかくイイ活動をして、発信する。理解してくれる人を大切にする。という極めて当たり前のことを行えば、ファンは増えるはずである。1〜5全てに全力を尽くすことが何より大切なのだ。



以上、3つの観点から、改正NPO法は本質的な解決策ではない。NPOの活動を市民に理解してもらうためには、よりコミュニケーションに力をいれるべきだ。市場は何もしなくても成長はするだろうが、それに気を抜かずに、理解活動促進を謳っていきたい。今回の施策に、NPO業界は甘えてはいけない。僕もETICのソーシャルベンチャーズ・スタートアップに参加しているので自戒したい。

今回は、「認定NPO法人」になれるー!と楽観的な視点がTLに多く回ってきたので書いた。予算が増えて、事業を拡大したその先に問題解決がある、と言われてもいまいちイメージが湧かなかった。問題や問題解決の他に、市民(理解者)という視点を忘れているような気がするからだろう。

ちなみに、NPOの広報支援をなされているNPOもある。その中でも、a-conというNPO法人は私的にお世話になっていて、実力もある団体。NPO法人の皆様はお問い合わせみてはいかがでしょうか。


ああ、あと、「有能な人材を確保する」ことが其の次の課題になるだろう。周りに社会貢献に興味のある学生は多い。皆さん、パッションはあるが、ロジックに欠ける。(僕も笑)そして、経験も含めたビジネスセンスが足りない。パートナーにはそういった人材にお金を投資して、来てもらうべき。年収2000万円だって、効果をあげてるなら払ってもいいと思う。

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「NPOのデジタルコミュニケーションオフィサーになりたい。」
trippieceは、NPOの理解活動促進に寄与していきます。これはまだまだ日本では取り組まれていないし、上の世代との差別化要素になる価値観です。僕はこれを促進していきたい。


僕は今後 people to people の旅のカタチを推し進める。みんなの趣味や関心をベースに人が集まる。NPOに興味があるなら、日本の農村で田植えを体験してみよう!という呼びかけに世界各国から人が集う。宿泊先は民宿でも旅館でも、人家でも良い。人と人との触れ合いを目指すのだ。「国・文化・肌の色・宗教」で人を判断するのではなく、「関心・趣味」という極めて個性から判断して欲しいと願っている。話し言語は違っても同じ人間で、同じ趣味を持っている。そんな素敵な当たり前を、日常に。それをビジョンにtrippieceを促進していきます。





文章書くのうまくなりたい。。。。。

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